しかくかんけい!
「違うよ」
「……」
じゃあ、なんで?
シャツを握る拳に力を込める。
ぎゅ、と音が聞こえそうなくらい。
「ハナは“とくべつな存在”だから」
「……は?」
特別?
それは一体どんな感情なんだよ。
「ちなみに俺、今すっごい夢中になってる子がいるんだよね〜」
「……、」
「それ、誰か知りたい?」
「……」
「ていうか、そらっちは知るべきかも」
どういうことだ。
次から次へと理解不能なワードが飛び出してくるその口はどうかしてる。
思わず緩んだ拳は隙を与え、それを見計らったあいつは俺の手首を掴む。
「教えてあげる。俺が好きなのは、」
ぐっと力の込められた手首に、熱を感じる。
「いつも君の隣にいる蝶だよ」
その熱は、
電流が走るように腕を伝って、
俺の心臓を刺激した。