しかくかんけい!
可笑しい。
鈍い男って、マジでおもしろい。
自然と笑みがこぼれる。
「文化祭、きっと何かが変わるよ」
唐突にそう言ってみたら、さらに顔をしかめる。
そしてついに、チッと舌打ちして顔を背け、その場から去ろうと翻る。
途端、ピタリと足を止め、こちらを見ずにつぶやく。
「あんまりハナには手を出すな」
少し尖った声。
でもその裏に、不器用な感情が滲む。
「うん、あんまりね」
思わずくくっと音が漏れた。
「お前ほんっとムカつく」
吐き捨てるようにセリフをぶつけ、一瞥して出口へと歩いてゆく長身。
遠ざかるその背中は、憤りのような、悔しさのような、モヤモヤした雰囲気をまとっている。
あれは、かなり重症だな。
そうさせている原因がまたおもしろいやつで。
なんだか笑えてくるよ。
「参ったなー」
愛莉、ハナ、そらっち、そして俺。
俺ら4人は今、かなりおもしろい関係になっている。
最近おもしろいこと多いな、なんて考えながら図書室をあとにした。