しかくかんけい!



「今なら数量限定でミスター候補の直筆サイン入りで〜す!」


なんて叫んでいるから、今すぐ買いに行かなきゃ 一瞬で完売しちゃうよ。


「あの、タピオカ3つください!」

「はーい、どうもあり〜!」


金髪くんがそう言って整理券を渡したとき。



「あれ、ハナじゃん」


期待していた声が聞こえたと思ったら、金髪くんの後ろからひょこりと顔を出す美形。


「あっ、しょーくん!」


その手には透明カップと油性ペン。

ほ、ほんとにサイン直筆してた!

なんて感動していると、愛莉とそらくんも追いついた。


「おー、愛莉とそらっちも一緒なんだ」


そう言ってしょーくんがにっこり笑うから、並んでいた女の子たちがきゃっきゃと声を上げる。


しょーくんはそれに気づいているのかいないのかお構いなしに、私たちの方へ近づいて来た。

少し、視線が痛いかも。


「みんな買いに来てくれたの?」

「うんっ」


ほら、と言って3枚の整理券をひらひらと振った。


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