しかくかんけい!


「すごい人気者だね、しょーくんも愛莉も!」

「うん」

「ほんとすごいな〜。やっぱりふたりともお似合……」


言いかけて、しまった、と思った。

胸の奥が、ぎゅっ、と鳴った。

自分の言葉が、自分の心臓を握り潰した。

痛い、と感じた。



「ハナ」


そらくんが私の手に触れたと思ったら、ぐいっと引っ張って。

導かれるがままに足を進めれば、そこはひと気のない裏庭だった。


遠くで、ざわざわと賑わう音がする。

体育館の方からは、舞台の部の音楽がかすかに聴こえる。

校内放送で流されているBGMも、ここまで届いている。


手を握ったままのそらくんが、私をじっと見つめている。



「そ、そらくん?どうしたの?」

「……あのさ」

「うん?」


少しだけ、悲しそうな顔をしている。

もしかして私と同じ気持ちなのかな、と思った。



「あいつのこと、好きだよね」

「へっ!? ななななななんでっ」

「な、多い」

「ご、ごめん……」

「確かにハナってわかりやすい」




< 259 / 433 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop