しかくかんけい!
変な子、と思いつつ、隣に座って絵をのぞき込んだ。
「わあ……綺麗な夕焼け空だね」
私と同じくらいの年なのに、この画力はただ者ではないと思った。
「……あげる」
「え?」
「気に入ったなら、これ、あげるよ」
男の子はそのページをビリビリッと切取って、私の膝の上に乗っけた。
「いいの……?」
「うん。僕が持っていても、しょうがないし」
どうして?
と言いかけて、
やめた。
その横顔が、
とても、
息苦しそうに見えたから。
「……ありがとう」
見ていられなくて、空を見上げた。
桜色の隙間が、茜色。
初めて会ったはずなのに、
彼の隣にいると、なんだか心地良い。
たぶん、彼のその落ち着いた、まわりを包み込むような不思議な雰囲気がそうさせているのかも、と思った。
それからというもの、私たちは度々この河川敷で会った。
小学校入学式の日、私と同じ教室に彼がいたときは、驚きと同時に嬉しさが込み上げた。