しかくかんけい!
きゃあああ、と背にした会場から聞こえる声。
告白して急に舞台袖へ消えたふたり、という思わぬ展開に興奮しているようだった。
それは俺も同じで、予想外の彼女の挙動にかなり戸惑う。
「ちょ、愛莉っ?どうした?」
そのまま体育館を出て裏に回り、やっと駆け足がゆるやかになる。
「……、」
外はもう既に日が落ちていた。
暗がりの中でも、彼女の白く透き通った肌は鮮明に浮き立つ。
そんな後ろ姿でも美しい彼女は、サラサラの髪をなびかせて、黙ったままこちらへ振り返り。
そうして繋がれた手をあっけなく離し、
流れるように空を切って、
躊躇なく俺の頬に、触れた。
触れた、
なんてやさしい表現は誤解を生むね。
躊躇なく俺の左頬からパシッと乾いた音を鳴らした。
つまり、痛い。
「……は、?」