しかくかんけい!



その音はこの上なく、切なく響く。


「こんな形じゃイヤなの。私はそらと……そらとっ、両想いっていうカタチじゃないと、満足できないのよ!」


きらり、と雫が飛び散って、

音を立てずに落ちる。


あ、と濡れた頬に触れて驚く愛莉は、どうやらこんなつもりではなかったらしい。


焦ってごしごしと目をこすり、切羽詰まった愛莉はいなくなっていつもの強気な表情に戻る。


「とにかく、私はそらしかだめなの」


じっ、という音が聞こえてきそうなくらいに視線を突き刺す愛莉。


どこまでもまっすぐなその視線は、俺の瞳孔を通り抜け、鼻の奥をつんと突いて、喉を通過し心臓まで到達した。


そして心臓をひとつ刺し、貫通させて穴を開ける。


寒い、と思った。



「それにあなた、さっき本気って言ったよね?」

「……うん、言ったけど」


こんなに本気なのに、どうして俺のになってくれないのって、確かに言った。






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