しかくかんけい!
やっぱり欲しい、
でも、
どう足掻いたって不可能。
彼女の音色がこの手に入らないとわかった今、待っているのは雑音だらけの日常。
さて、どうする。
そんな声がして、それは自分の頭の中の音で、自問の回答を見い出すべく、バイクへ跨がった。
排気音と共に風を切って走る。
スピードに乗ってきたら、秋らしく冷たくなった空気をメットの隙間から感じて、少し凍えた。
これまでフラれるという経験をしたことのない俺は、この寂しさに似た感情をどう片付けるのが正しいかなんて知るはずもなく。
正しいも何も、そもそも論、諦め方も、追いかける術も、虚しさを取り除く方法も、何も知らない。
も、多い。
とにかく思うのは、この枯渇しそうな心を何かで満たしたいということ。
だから俺は、昔のように、
夜の街へ、快楽を求めてさまようんだ。