しかくかんけい!





その目は、まるで、


「愛莉が欲しいからだよ」



凶器──いや、狂気。



「っ……」


出かけた言葉を喉の奥へと押し戻す。


これが、ハナの言っていた“獣”か。

たしかに、“危険な王子様”かもしれない。


でも私は、そらという存在がある限り、
絶対に堕ちない。


そしたら何を思ってか、いきなり彼の手が私の頬に触れた。


その手はとても冷たくて、思わず体が震える。



「ねえ、知ってる?」


そう言って摩擦する手がくすぐったくて、
気持ち悪くて、怖い。


「……やめて」


絞り出した声はあまりにも頼りなかった。


「俺が遊びやめたのも、ハナとそらっちを探ったのも、ミスコン出場したのも全部、君を手に入れるため」

「やだ」


止まらない手から逃れたくて身を引くも、すぐに背中が固い平面にぶつかって、彼との距離もなくなってゆく。


「こんなに本気なのに、どうして俺のになってくれないの?」




…………本気?










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