しかくかんけい!



ほぼ叫び声だった。

頬に何かが伝う感覚がした。

確かめると、濡れていた。


これは何の涙だろう。

怒り?悲しみ?憎しみ?羨望?失望?


ああ〜っ、もう!


頭を掻きむしりたい衝動に駆られる。


そんなの今はどうでもいい。


この際なんだから、もう、

どこまでも強がれ、私。



「とにかく、私はそらしかだめなの」



そらへの愛情を確かめさせるように、この強がりな視線を彼へ突き刺す。


「それにあなた、さっき本気って言ったよね?」

「……うん、言ったけど」

「それ、私じゃないから」



早く自覚してね。


本気の感情って、

そんなもんじゃないからね。





< 299 / 433 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop