しかくかんけい!
できるだけやさしく微笑んで、
さっさとこの場から退散する。
ひゅう、と向かい風が私とすれ違った。
まるで、強がった私を、嘲笑っているよう。
ふーーーっ、といつの間にか肺に溜め込んでいた二酸化炭素を吐き出す。
そうして新たな酸素を吸い込んで、逢魔《おうま》が時の空を見上げる。
さっき彼を欲求不満な子どもみたいだと思ったけれど、それは私だって。
「……強がりな、子ども」
これじゃあ大切な関係も簡単に壊されてしまって当然だと、呆れた。
結局、大人になれない私たちは、
ただひたすら、子どもみたいに、
傷付いて、傷付けて、
そうして、ぼろぼろになって。
助かりたくて、癒やしたくて、
救いを求めて、手を伸ばす。
手を、伸ばす。