しかくかんけい!



……────10月のカレンダーをめくる。


4日遅れたが部屋の壁に張り付いた残り2枚のそれを見て、もうすぐ今年も終わるんだ、と思って、家を出た。


久しぶりの学校。

というのも、文化祭の振替休日の後に祝日がくっついたおかげで3連休ができあがった。

まあ、久しぶりと言えるほど長くはないが。


重たい足をひきずって門をくぐれば、好奇の眼差しを浴びる。

ほら、文化祭のときの、というひそひそ話のつもりの声はちゃんと私の耳に届いた。


こうなることは予想していたけれど。

やっぱり、しんどいね。


聞こえないふりをして、ただ前を向いて歩く。

すると、わっ!と背中を叩かれる。


「ビックリした?」


ひょこっと飛び出した声の正体は、やっぱりハナだった。


「おはよう、ハナ」


そう言って微笑むが、ハナは残念そうに口をとがらせる。


「おーはーよっ。も〜相変わらずクールな愛莉〜!」



……このやりとり、なんだか前にもあったような。





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