しかくかんけい!



落ち着け、平常心だ、
と言い聞かせてゆっくり呼吸する。


「振ったって本当?」


まだ午前中が終わったばかりなのにもうその事実を耳にしていることに少し驚きつつ、はっきり言う。


「うん、お断りしたよ」


眉を上げて目を丸くし、信じられない、と声をもらす彼女。


「あんな完璧なしょーくんに告白されたのに、なんで断ったのよ?みんなお似合いだって期待してたのに」


心底残念そうにする彼女。


「他に好きな人がいるから」


そう言えば彼女は、えっ、とこちらを凝視したのも束の間、ははん、と納得したように頷く。


「なーんだぁ、彼氏いたんだ」

「……いないわ」

「え、まじ?片思いってこと?」

「うん」


そしたら先ほどよりも大きく目を見開いて、
へー、意外!と驚愕される。

声が大きい。


「えー、でもぶっちゃけ、しょーくんよりいい男っているの?」

「当たり前でしょ」

「即答っ」


思わず口走って、あ、これはしょーくんファンに失礼極まりない発言だ、と慌てて訂正する。



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