しかくかんけい!



とにかく彼はちょっと、いや、かなりよろしくない方向へ暴走しちゃってる。


全くもう、何やってんだか。

そんな歪んだやり方で気を紛らわせているなんて。


解決策はもっと単純で、シンプルなのに。



すると突然ガタッと音がして、見ればリーダー女子は立ち上がっていた。


「あー、ぶりっ子戻ってきた。うちあの子どうも好きになれないんだよねー。てことでばいばーい」


さらっと軽い口調でそんな辛辣な言葉を放った彼女は、寸時ハナを睨んでふいっと逸らしつかつかと立ち去って行った。


帰ってきたハナへおかえりと声をかけ、次の授業の準備をする。

ただいまぁ、と両手を上に伸ばしてぐうっと体をほぐす。


「午後は美術だけだー!眠気も吹っ飛びそうっ」


「そういえば今日は自由デッサンだよね」


前の授業で言っていた。

芸術の秋なので校内の好きなところで風景画を書きましょうっていうどこか手抜き感を覚えてしまう内容だ。




< 307 / 433 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop