しかくかんけい!
ふわ〜っと気の抜けたあくびをするハナ。
目があって、しょーくんのことで頭がいっぱいで眠れなかったんだ〜とへらっと笑いながら言う。
彼女は私のことを「まっすぐだね」と言ったけど、ハナだってそう。
わかりやすいくらい顔に出るし、思ったことがすぐ言動に出ちゃうし。
自分の気持ちに正直で、純粋で、まっすぐ。
だから一緒にいて安心できるし楽。
裏表のある人が苦手な私にとっては、ハナみたいな素直に気持ちを表現してくれるタイプの人と気が合うみたい。
食べ終わった弁当箱を包み、空を仰ぐ。
「あー。今日も澄んだ青だこと」
「愛莉ってば、そらくんのこと考える時いつも空見るよねー。あはっ、なんかダジャレみたい」
無邪気に笑うハナ。
陽気な春のぬくもりが風に乗って彼女の前髪を揺らした。
それから昼休みが終わるまでの時間、私たちは他愛のない会話を楽しんだ。
……恋は、人を、臆病にする。
本気であればあるほど、
それに比例するように。