しかくかんけい!
「はあ……」
なんとも言えない哀しみが、押し寄せる。
天を仰ぎ、押し寄せる感情をせき止める。
『俺たちは、四角関係だ』
そうよ。
私たちは、一方通行な四角関係。
『俺はハナが好きで、ハナはあいつが好きで、あいつは愛莉が好き』
……続きは?
“愛莉は俺が好き”
という、私の気持ちは?
どうしてあなたは、気づかないの?
鼻の奥でつんとした痛みは涙腺を刺激し、透明な血液が目尻から落ちた。
うつむけば、それはどんどん溢れてきた。
ぽつ、ぽつ、と未完成な画用紙の上に容赦なく落ちていき、涙色の水玉模様が彩る。
ああ、やっぱり、強くなんてなれない。
この涙が、その証拠だ。
止まらないそれは甘い味がして、
心の傷を癒やしているみたいだと思った。