しかくかんけい!
うわ、なんでこのタイミングかなー。
「てめえっ……!」
飛びかかるように勢いよく俺をハナから引き離し、ものすごい力で胸ぐらを掴む。
「うおっ、強すぎだって!服ちぎれる!」
のっぽなうえに怪力かよ。
本当に第2ボタンぶち切れそうなんだけど。
「言ったよな?ハナには手を出すなって」
「……あー、言ってたね」
「今何しようとした、てめえ!」
大声ではないのに、というかむしろ静かな声なのに、どこまでも深く、強く、赫怒に満ちていた。
この男、本気で怒っている。
理由なんて、ハナ以外に何があるんだろうか。
でも、それ、自分勝手すぎるよね。
「……だからなに?」
「は?」
「だから、そらっちはハナの何なの?彼氏?婚約者?旦那さん?」
「……別に、そんなんじゃ……」
ゆるゆるとフェードアウトしていく握力と声。
その手首を掴み、離せ、と一言ぶつける。