しかくかんけい!



「ねえ、自分の気持ちもろくに伝えられないやつに邪魔された俺の気持ち、わかる?」

「っ……!!」


穴のあくほど鋭い目つきで睨んでいたそらっちは一変し、はっと大きく見開かれる。


「ただでさえ愛莉にフラれた根本的理由がお前なのにさあ、なんで別の女関係までずべこべ言われないといけないわけ?」

「……は?根本的理由……?」

「あーそっかそっか、お前は鈍感だったね。とにかく、そんなに手に入れたいなら」


ぐっと彼へ近づいて、その耳元に囁く。



「どんな手を使ってでも奪えよ、この俺から」



さっと身を引く。


「……っ」


見れば、返す言葉もない、といった表情で固まったままの彼と、愕然と立ち尽くす泣きっ面の彼女。

なんだかすごくおもしろい絵づらだ。


「くくっ……写生課題、がんばって♪」


絵づらだけに、という言葉は心の中でつぶやいて、ふっと嗤う。


は、としたふたりはやっと現実へ引き戻される。




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