しかくかんけい!
■■ そらside ■■
しん、と沈黙が流れる。
目の前で泣いている好きな人をどうすればいいのかなんて全くわからないが、放っておくなんて論外だからそっと近付く。
「ハナ」
「…っそ、そらくん……」
切羽詰まった声で、俺の名を呼ぶ。
苦しい、つらい、哀しい、痛い、酷い、……
そんな感情が浮き彫りになる彼女を、いてもたってもいられずに、そっと、抱きしめる。
びく、と驚いたように震える華奢な体。
「泣いていいよ」
この小さな彼女を壊さないように。
やさしく、でも強く、包み込む。
「っ……ううっ……うわあああんっ」
せきを切ったように声をあげて泣き出す。
まるで、今まで詰め込んできた感情の袋がたえられずにパンクしたみたいだった。
声が外に聞こえないよう、さらに強く腕の中へ包んだ。
やっぱりハナは、素直でなくてはだめだ。