しかくかんけい!


文化祭のときみたいに、今日みたいに、無理やり気持ちを閉じ込めていたハナは、見ているこっちも苦しくさせる。


だから、いつものように、あの日の演奏のように、自分の気持ちに正直になって。



しばらくそうやって、時が流れた。


身をよじり顔を上げる彼女と目が合う。

途端、恥じらいと熱が体中を駆け回る。

それらから解放されるべく、腕をゆるりとほどく。



「大丈夫?」

「うん……」


小さな涙声で、こくりと頷く。

喉が枯れて声が出しにくそうだし、目が腫れて真っ赤だ。

この状態で戻るのはまずい。


「もう少し休んでから行こう」

「うん……」


近くにあった椅子を寄せ、背中を軽く押して促す。

並んで座れば、ハナの頭は俺の方へもたれる。

見ると、湿ったまつげが静かに落下した。


……こんな状況になるなんて、思ってもいなかった。


それは遡ること、およそ30分前。


5時間目と6時間目の間にある、

休み時間のこと──……






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