しかくかんけい!



そうして3階にある美術室へ到着する。

ガガガガ、と電動鉛筆削りに次々差し込んで、ぼーっと考える。

そういえばさっきの女子生徒、どこかで見覚えがあるな。



「…………あ!」


あいつの新しい女!


休み時間にすれ違ったばっかりじゃないか。

思い出してすっきりしたのも束の間、はっとする。


『音楽室のすぐ上の教室なんだけど、なんか物置き部屋みたいになってたの』

『西棟5階か……そういえばあったかも』

『窓から見える景色、なんか絵になるなあってずっと思ってたから、そこにするよ』


ここ、西棟だ。

音楽室は、ここの真上だ。

あの教室、5階だ。


足が動いたのは衝動的で、色鉛筆たちはそのまま置き去りにして。


階段を全力で駆け上がり、その教室めがけてダッシュする。


……いや、5階のフロアにはいくつか教室があるけれど。

不吉な、予感がした。


先ほど女子生徒が出てきた教室のドアに手をかける。


「っ!?」




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