しかくかんけい!
「……あのさ」
「ん…」
声を掛ければ、二の腕に寄りかかっていたハナの体温が離れる。
「俺、ハナのこと好きだ」
気がつけば、そんなことを言っていた。
「……へ?」
隣の存在が、こちらへ向いたのを感じる。
俺もゆっくりと、ハナの方へ首を回す。
「もう、傷つくハナを見たくない」
まっすぐに、その瞳を、見つめる。
「え……っと、その……」
ぱちぱちとまばたきを繰り返すハナ。
「苦しそうなハナを見ていると、こう、胸が締めつけられた感じになって、痛くて、それで……っそれで、ハナが好きで、どうしようもないんだ俺っ……」
「っ、……そら、くん……」
「このタイミングで言うの、ずるいかもしれないけど……夏祭りで言ってた俺の好きな人は、ハナ」
はっ、と赤い目を見開いて、口を開けたまま、固まる。
しん、と、また、透明な沈黙が流れる。
それを先にやぶったのは、ハナだった。
「しかく、かんけい……?」
そんな音が、彼女の口からこぼれ落ちた。