しかくかんけい!

変形



■■ ハナside ■■




どくん、と、脈を打った。


そらくんの口から告げられた事実に、耳を疑った。


そらくんの好きな人は、私。

愛莉でも、しょーくんでもなく、私。

ってことは、つまり……


私はしょーくんが好きで、

しょーくんは愛莉が好きで、

愛莉はそらくんが好きで、

そらくんは私が、好き。



「うん。困ったことに俺たち4人は、一方通行な四角関係だよ」

「……そん、な……」



だれも向かい合わない。

だれも報われない。

だれも、しあわせに、なれない。


どうしよう。

どうすればいいんだろう。

どうしてこうなっちゃったんだろう。


頭の中がごちゃごちゃになって、私の小さい脳みそでいくら考えても答えは出ない。


「好き」の連鎖は、ちっとも解けない。


なんとも複雑で、シンプルで、難解だよ。




< 333 / 433 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop