しかくかんけい!


胸がぎゅうっと締めつけられる思いで、そこから込み上がってくる、感動の粒。


「……っう」


ほら、泣いちゃった。

さっきあんなに枯れるほど泣いたのに、まだ懲りないのかというほどボロボロ溢れる無色の水滴。

それは無色透明なのに、私の中にあるものは色々に発色しているよ。


いろんな気持ちが、いっぱいの思いが、

たくさんの感情が、込み上げて、

重なって、混ざって、揺れて、溢れて、

どうかしてしまいそうだよ。



ぼやけた視界の中、そらくんの手が離れたのがわかった。

そして私の顔に近づいて、そっと頬に触れ、涙をひとつひとつ、拭う。


「ハナ」


私に触れる彼の体温(やさしさ)が、

心地良いと、思った。


このまま、それに甘えたい気持ちになった。


そらくんの、優しさでいっぱいな腕の中に閉じこもって、この心を癒やしたい。



でも。


この思いに正直になれば、傷つく人がいる。


それは私の、彼の、大切な人だから。




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