しかくかんけい!


「あ、愛莉!ごめんね、ぶつかっちゃって」

「こちらこそ。それより……」


私の顔を見て、ぎょっとしたように眉をひそめる。


「あはは、ちょっと鏡見ようかなって」

「……何があったの一体」


愛莉は険しい顔でそう言って、また私と一緒にトイレへ入る。


「その、話が長くなりそうだから、帰りでもいい?」

「わかったわ」


そんな感じで愛莉の付き添いのもと顔を洗い、美術室へ戻った。


放課後になって、部活が終わって、学校前のコンビニに寄って、近くの公園のベンチに腰を下ろして。

空いたお腹を満たしてひと息ついたら、隣に座っている愛莉が口を開く。


「今日、どうして泣いていたの?」

「うん、えーっと……まず、5時間目にあの教室で課題してたんだけど……」


5時間目が始まってすぐ。


屋上へ向かう愛莉とそらくんの背中を見送って、私は例の教室に入った──……











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