しかくかんけい!
「私、今日のハナは、きらいよ」
「え……き、きらいって」
急にそんなことを言われ、少し戸惑う。
「そして、今の私自身はもっときらい」
「……どういうこと?」
強い視線が私の目の奥まで刺さる。
愛莉の表情はみるみる歪んで、苦しそうに、重そうな口を開く。
「後夜祭」
「っ、」
ギクッと肩が弾む。
後夜祭。
それは私が今一番、愛莉と話したくない内容。
きっと、バレているんだ。
私がこうして心の奥に閉まっている感情のこと。
私が必死に気づかないふりをして、必死に押し隠してきた、黒い黒い塊。
「私はもちろん断った。ハナの気持ち、ちゃんとわかってるから」
「……」
「でもそれ以上に、そらが好きだから」
「……」
泣きそうになった。
愛莉は、そらくんの好きな人を、私が知るよりもずっと前から、知っている。
「でもそらは、私のことなんて幼馴染としか見てくれない」
「……」