しかくかんけい!


口裏合わせでもしていたのかと思うほどに息ピッタリで、思わず笑いそうになるのをこらえて。


「愛莉、いる?」


という声を通せば、教室の後ろの方の窓際が盛り上がり、見れば女子に囲まれて少し驚いたような顔をする愛莉がいた。

手招きすると、さらに女子たちはきゃっきゃと はやし立てる。


怪訝な顔をしつつもこちらへ向かってくる愛莉。

どこかへ連れて行くあてはなかったため、そのまま廊下で話すことにした。



「今から愛莉を傷付けていい?」

「は?」


いきなり呼び出したと思ったら今度は何、とでも言いたそうな顔。


「そらっちとハナって、付き合ってるの?」

「……どうしてそう思うの」

「んー、……」


考えるふりをして、その瞳をじっと見つめる。


揺らぎそうで、揺らがない、愛莉の目。

まだだな、と思った。


「聞いてる?」

「うん。まだみたいだね、あのふたり」

「……噛み合ってないんだけど会話」

「でも俺、見ちゃった」

「……、何を?」



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