しかくかんけい!




言わなきゃ。

せっかくそらくんも助けてくれたんだ。

それでやっと、決心できたんだから。


ちゃんと、言わなきゃ。


愛莉に届くように、

はっきりと、言うんだ。


バクバクうるさい心臓を無視して、サッと振り返って、バッと頭を下げて、

はっきりと、


「「ごめん!!」」


ハモった。


はっきりと、ハモっ……た?



「え?」


あれ?

このシーン、

“はっきりと、言った。”

の予定だったんだけどなあ?


顔を上げると、愛莉も「え?」という顔をして、私を見ていた。


「えっと……その、私の方がごめん、なんだけど……」

「いや、なんで?私がごめんだよ、あんな写真、」

「いやいや、私だってあんなにひどいこと言った!」

「いやいやいや、全部私が悪いんだって!」

「いやいやいやいや、私もそらくんにばっか甘えてたし!」

「いやいやいやいやいや、それ言ったら私だってしょーくんと!」

「いやいやいやいやいやい」

「ちょっと、落ち着こう!」

「や……う、うん。」


< 386 / 433 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop