しかくかんけい!


■■ 愛莉side ■■




キーンコーンカーンコーン……


朝のホームルームが始まる時間だ、と思って、ハナを見る。

意を決した彼女の目へ、頷き返す私の目。


そうして共犯を契った私たちは、本来ならば席についてなければいけない時間に、屋上で寝そべる。

冷たい風が、額を撫でた。


「あのね、愛莉」


繋がれた手で確かにハナの存在を感じた。


「なに、ハナ」


久しぶりにその名を呼ぶと、ぞわっ、と鳥肌した。


懐かしくて、嬉しくて、泣きそうだ。



「私、愛莉に嫉妬してたの」


そういう彼女の声は、力強くて、ストレートで、まっすぐ。

いつもの、素直なハナだ、と思った。


「綺麗で、大人で、優しくて、器用で。何でも持っている愛莉にすごく憧れて、愛莉を目標にして、愛莉が大好きになって、そうして…………羨ましい、って思った」

「……うん」


ハナの目には、私がそういうふうに映っているんだね。

全然そんなことないのに。


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