しかくかんけい!

「あんなひどいこと言ってごめんね。私、本当は愛莉のこととっても大好きなの。折りたたみ傘とかあめ玉とか見るたびに、愛莉を思い出しちゃうよ」

「っ……」


ぎゅ、と手に力が込められた。

ハナの方に顔を向けた。

途端、目に溜まっていた潤いは重力に従う。

ぼやけた視界の中で、彼女も私の方に向いたのが見えた。


ぎゅ、と手に(チカラ)が込められた。


「愛莉は、私たちの気持ちを誰よりも敏感に察して、いつも私の一歩先を歩いてた」

「一歩、先……?」


「うん。すぐに状況判断して、後先(みらい)のこと考えて、見据えて、それで、それでっ……でも、考えてるのはいつも、誰かのことばっかり!」


語尾が強くなるハナに、はっとする。


「だれ……か?」

「そう!自分のことは後回しで、誰も傷つかないようにって、自分だけ傷ついてっ……」

「だって、そうしないと……っ」


この関係が、壊れちゃうから……。


そのセリフを音にできないくらい、涙があふれてくる。



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