しかくかんけい!
「……私、生まれて初めてイヤミっていうの実感したかも」
「っ! 違う、嫌味じゃない!いいから私の話を聞いて」
「うん……ふふっ」
「笑うところじゃないわ」
彼女をチラッと睨んで、目があって、ふいっと背けた。
そんな私をくすくす小バカにするハナは、誰かさんに似てる、と含ませて笑う。
「とにかく、ハナが言ったことは全部、自分の目的のためにやってきたことよ」
「目的?」
「そう。ずっと、そらとの距離を保ちたいっていう目的。だからどうすれば関係が壊れないで済むか、考えていた」
「関係が、壊れる……」
「変わるのが怖くて、変わってしまったら、そらの隣にいられなくなりそうな気がした」
これまで保ってきたそらとのいちばん近い距離感がとても心地よかったし、ずっとこのままそばにいたい、そう思っていた。
『そらのそばにいられるだけでも充分幸せだから』
それは、春に私が言った言葉。