しかくかんけい!
後夜祭のあの瞬間。
私が必死に回避してきたセリフを放たれた、あの瞬間。
自分の無力さに、腹が立った。
そしたらもう一気にそらへの想いが暴れた。
『幼馴染じゃイヤだし、
私だけを見て欲しいし、
他の人の隣になんていかないでって、
そんな感情ばかりが心を独占する』
『こんな形じゃイヤなの。
私はそらと……そらとっ、
両想いっていうカタチじゃないと、
満足できないのよ!』
ずっと抑えていたその欲張りは、私をどこまでも追い詰めた。
一度溢れてしまった気持ちを、またもとの程度に戻すなんてことは、そう容易くない。
ああ、壊れる、と思った。
ああ、私は、こんなにも無力なんだな、と。
「結局私って、大人ぶって偉そうなことだけ言って、全部わかってるくせに本当は何もできない、ただの強がりな、子どもなのよ」
そう吐き捨てると、悔しくなって。
繋いでいない方の手に、力が入る。
爪が食い込んで、痛みが走る。