しかくかんけい!


「……ッ!!!」


ショックを受けて、固まる彼女。


ああ、また、傷付けてしまった。


そう思ったのも束の間。

彼女は ぐっと歯を食いしばって。


「大丈夫だよ」


きっぱりと言い切った。


「え?」

「私はもう、そんなヤワじゃない」


強くて、頑なで、芯のある、音だった。


「ヤワじゃないって、言われても……」


そんな耐え忍ぶような顔で、言われても。


「その話、ちゃんと聞きたい。想像するだけでも怖いけど、何があったのか全部、知りたい」

「ハナ……」

「それがどんなに私にとって辛いことだとしても、どんなに深く傷付いても、」


そう言う彼女の目は真剣で、一瞬たりとも揺らがない。


「もう、逃げたくない」


強い、と思った。


「きっと、この話聞いたらもっともっと感情が暴れちゃうんだろうなあ」

「やっぱり、ハナが傷付くことは言いたくないわ」

「だめ!言わなきゃ私も愛莉も強くなれない!」


ツヨク、ナレナイ。


その言葉は呪文のようだ。


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