しかくかんけい!


広い校舎の中、音楽室に向かっていた方向音痴な私は当然のごとく迷った。

ここはどこ?私はハナ?的な感じでうろうろさまようこの女子生徒は傍から見たらやばいやつかもめ、め…めだか。


「また“か”じゃん!」


って自分で突っ込む私の脳内もはやパニック状態。


やばいもうすぐ集合時間!
初日早々遅刻するなんて絶対イヤだ!

と頭を抱えた、そのとき。


ぽんっと肩を叩かれて。


振り向くとそこにはなんと…………








い、い、イケメンが!!




「ねえ、さっきから視界に入るんだけど、もしかして迷ってる?」

「えっ、あっ、はっはいッ……!」


緊張して声がうわずったのは、思い出すだけでも恥ずかしいなあ。


「くくっ、やっぱり。どこ行きたいの?」

「お、音楽室……」

「あーそれ、この棟じゃないよ。音楽室は西棟4階」

「に、し…」


ここは東だったのね。





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