しかくかんけい!


「ふ〜ん。しょーくんって、みんなの王子様だからなかなか近づけないよねー」


うんうん、と取り巻きたちも同意する。


しかし、彼女らが何を言いたいのか全然わかってなさそうな顔のハナ。

その様子を見て私は口を挟んだ。


「あら、もしかしてしょーくんに何か用あるの?忙しいなら伝えておこっか?」

「はっ?いや、大丈夫……」

「そう?」


私を見てそそくさに行ってしまった。

自分の口調に少しトゲがあったのは、一応自覚している。


別に怖がらせたつもりはない。

ただ、その胡散臭い笑顔をハナに向けないでほしいだけ。


「あの子たち、けっこう有名なしょーくんファンだよね」

「えっそうなの?だから私に話しかけるんだ〜」


呑気にそうなんだ〜と言って納得するハナ。


「……ハナの耳に念仏か」


今の彼女らとのやりとり、私には嫌味にしか聞こえなかったんだけど、ハナはびくともしないのね。

さすが、と思ってその小さな頭を撫でたら、へらっと目を細めた。



< 62 / 433 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop