しかくかんけい!


ハナがしょーくんファンたちの標的になってから、私の周りにも異変が起きた。



昼休み、弁当を食べ終わったらハナは打ち合わせのため隣のクラスへ行ったので、私は一人だった。


今日も自分の席で、暇つぶしにぼーっと窓から空を眺める。

朝は快晴だったのに、分厚い灰白色の雲が敷き詰まっていて、恐らくこれから雨の予感。


とんとん。

軽く肩を叩かれて身を起こすと、同じクラスの吹部仲間が立っていた。


「もしかして起こしちゃった?」

「ううん。起きてたよ」


ならよかったーと言って彼女は前の空席に座る。


今日の部活は外で音出しの予定だったけど天気が崩れそうだからなしになった、という連絡だった。



「愛莉ちゃん、最近お昼休みは一人が多いね」

「うん。ハナはソロコンで忙しいみたいだから」


それを聞いた彼女は、あっそういえば、と不意にひらめく。


「愛莉ちゃん、しょーくんのこと気になってるって本当?」


「は?」



我ながら間抜けな声だったと思う。



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