しかくかんけい!


彼女からの情報によると、なぜか私の好きな人はしょーくんだという変なうわさが流れているそう。

最近よくハナと話すしょーくんをそばで見ていくうちに好きになっていた設定らしい。



「みんな言ってるの。愛莉ちゃん学年一の美人だからしょーくんと釣り合うし、誰も文句なしのお似合いだって」

「……何それ」

「しょーくんもまんざらでもないみたいだし、ふたりが付き合えば美男美女カップル誕生!なんて」

「勝手なこと言い過ぎ」


遮る。

ご、ごめんって〜と気まずそうに謝る彼女。


「それデマよ。私は別になんとも思ってないから」

「そ、そっか〜」


ちょっと残念そうな彼女は、じゃあまた部活で、と言って席を立った。




もうすぐ昼休み終了のチャイムが鳴る。

ハナもそろそろ帰ってくるはず。


知らない間にうわさがひとり歩きしている。

ハナの耳に入るのも、時間の問題だ。



また、空を見る。


鈍色になっていた。


遠くで唸るように響く、雷の音。




胸騒ぎがした。




< 64 / 433 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop