しかくかんけい!
彼女からの情報によると、なぜか私の好きな人はしょーくんだという変なうわさが流れているそう。
最近よくハナと話すしょーくんをそばで見ていくうちに好きになっていた設定らしい。
「みんな言ってるの。愛莉ちゃん学年一の美人だからしょーくんと釣り合うし、誰も文句なしのお似合いだって」
「……何それ」
「しょーくんもまんざらでもないみたいだし、ふたりが付き合えば美男美女カップル誕生!なんて」
「勝手なこと言い過ぎ」
遮る。
ご、ごめんって〜と気まずそうに謝る彼女。
「それデマよ。私は別になんとも思ってないから」
「そ、そっか〜」
ちょっと残念そうな彼女は、じゃあまた部活で、と言って席を立った。
もうすぐ昼休み終了のチャイムが鳴る。
ハナもそろそろ帰ってくるはず。
知らない間にうわさがひとり歩きしている。
ハナの耳に入るのも、時間の問題だ。
また、空を見る。
鈍色になっていた。
遠くで唸るように響く、雷の音。
胸騒ぎがした。