しかくかんけい!

放課後、いつものようにハナと部活に向かう。

教室を出ると、廊下の窓ガラスに激しい雨が打ちつけていた。


「急に降ったねー」


そう言ってハナは軽快なメロディーを口ずさむ。


「お昼ごろから雲行き怪しかったよ」

「そうなんだ。あっ!愛莉、傘持ってる?」

「折りたたみなら」

「さっすが〜」


鼻歌まじりに隣を歩く彼女は、いつにも増して楽しそう。

昼休みにしょーくんと本番までの練習日程を決めたらしく、これからもっと忙しくなるという。


「その曲、ソロコンの?」

「うんっ。ふんふふ〜ん♪」


隣のクラスの前を通り過ぎようとした、

その時。


ガラッと教室のドアが開く音で、鼻歌がピタリと止まる。



「これから部活?」


綺麗に整った顔が出てきたと思ったら、しょーくんだった。



「あっ、しょーくん!びっくりした〜」


ぽっと頬を染めて彼のもとへ行き、これから部活だよーとにこにこ話すハナ。



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