しかくかんけい!



すごい雨だね、とか話し始めるふたりを見て、私は先に行くねーとハナに声掛ける。



「あ、ちょっと待って」



ハナではない声に、足を止める。

振り返ると、しょーくんがこちらを見て。


「愛莉チャン、も、一緒にどう?」


すごくぎこちない“ちゃん付け”で呼ばれた。


「一緒にって、何を?」

「ソロコンの練習。誰かに一度聞いてもらいたいし」


隣のハナも、それいいねー!と賛成する。


「ハナがいいなら、別にいいけど」

「よし決まり。じゃあ明日、俺ん家で」

「「え!?」」


ハモった私たちを見て、仲良いな、と目を細める。


「しょーくんのお家、ピアノあるんだぁ!」

「もちろん」

「急にお邪魔して大丈夫なの?」

「もちろん」

「近くなの?」

「もち……うーん、いつもバイクだから遠いとは感じないけど、歩いて30分くらいって近いうちに入る?」

「近い!」


そんな感じでテンポ良く話が進み、明日の放課後3人で集まることになった。


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