しかくかんけい!
しょーくんと別れて音楽室へ着くと、いつものようにおはようの挨拶が飛び交う。
そして、ハナのフルート探し。
懲りないファンだな、と思いハナを心配するが、相変わらず事もなげな様子。
鼻歌まで聞こえてくる。
今日も私はフルートを見つけて、ハナへ差し出す。
その瞬間、ハナの表情が曇ったのを見逃さなかった。
すぐに笑顔を被せてフルートを受け取る彼女の手首をつかむ。
「大丈夫?」
私は彼女の目をじっと見つめた。
「……えー?何が?」
ぱちぱちとまばたきを繰り返す。
ハナが動揺するときは、いつもそんな反応をする。
「無理しないで。私はいつでもハナの味方だからね」
「愛莉……」
少し瞳が揺れて、すぐにぱっと生気を取り戻して。
「大好きっ!ありがと〜〜〜!」
「わっ」
いきなりぎゅーっと抱き締められ、後ろに倒れそうになる。
「愛莉がいてくれたおかげで、好きな人とこんなにいっぱい話せて、練習できて、仲良くなれたんだよ」
「……、」