しかくかんけい!
パタン、と、ドアの閉まる音がこだました。
この部屋もしかして、防音室なんだ!と今さらながら驚く。
「やっぱいいね、ハナの音」
「あ、ありがとうっ!しょーくんのピアノが上手なおかげで、すごく吹きやすいの」
「それは良かった」
そう言って、両手を広げる。
両手を、広げる?
何してるんだろう、と見つめていると、しょーくんはちょっぴり寂しそうな顔をする。
「あれ?俺には?」
「へ?」
「さっきのやつ。愛莉チャンにはやるのに、俺にはやんないの?」
さっきのやつ……って、
ぎゅーっと愛莉を抱きしめた、あれ?
にやにやと私を試すように熱い視線を送るしょーくん。
か、完全にからかっている……。
「や、やんないよっ!愛莉は特別なのっ」
「ふーん。俺はハナのこと、
“とくべつ”だと思ってるんだけど」
「とっ!?」
“とくべつ”って……どんな、とくべつ?
そう聞き返したかったけど、昨日のリーダー女子のセリフが頭をよぎり、言葉に詰まる。