しかくかんけい!
「鈴木さんの音、芯があってまっすぐな感じがした」
「ほ、ほんと?それ愛莉にも言われたかも」
鈴木さん。
名字で呼ばれるのにあまり馴染みがなくて、ちょっと戸惑う。
「舞台に立っていた鈴木さん、とても綺麗だった」
「あ、ありがとう…」
わあ、さらっとそんなことが言えるなんて。
不覚にもドキッとしちゃうよね。
もしかして天然なのかなあ。
「音が、まっしろに、見えた気がした」
まっしろ?
色?
「そ、そうなんだ?よくわかんないけど初めて言われたからなんか嬉しいな〜」
あははっと笑ってそらくんを見たら、茶色い瞳と視線がぶつかる。
あ、目は色素薄いんだ、
と思ってじっと見ていたら、
そらくんは気まずそうに目を逸らす。
私も慌てて、前を向き直して。
「し、身長何センチなの?」
なんて、彼がよく言われていそうな質問でこの空気をごまかす。