しかくかんけい!



「鈴木さんの音、芯があってまっすぐな感じがした」

「ほ、ほんと?それ愛莉にも言われたかも」


鈴木さん。

名字で呼ばれるのにあまり馴染みがなくて、ちょっと戸惑う。


「舞台に立っていた鈴木さん、とても綺麗だった」

「あ、ありがとう…」


わあ、さらっとそんなことが言えるなんて。

不覚にもドキッとしちゃうよね。

もしかして天然なのかなあ。


「音が、まっしろに、見えた気がした」


まっしろ?

色?


「そ、そうなんだ?よくわかんないけど初めて言われたからなんか嬉しいな〜」


あははっと笑ってそらくんを見たら、茶色い瞳と視線がぶつかる。


あ、目は色素薄いんだ、

と思ってじっと見ていたら、

そらくんは気まずそうに目を逸らす。


私も慌てて、前を向き直して。



「し、身長何センチなの?」


なんて、彼がよく言われていそうな質問でこの空気をごまかす。





< 94 / 433 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop