しかくかんけい!
「やっぱ夏といえば海だよねー!」
「海なら去年イヤというほど行かされたわ」
「それはお気の毒に」
そう言えばそうかも。
去年は10回くらい海へ愛莉を連れ出した記憶がある。
さすがに今年は5回くらいにしとこう。
「そういえば今年もまた、花火あるんじゃない?」
「あ!愛莉ナイス!」
毎年7月下旬に開催される、この辺では一番大きな夏祭り。
夜には盛大な打ち上げ花火もある。
まさに夏の醍醐味だね。
昨年は部活の大会のあとだったから、打ち上げも兼ねて吹部仲間でわいわい行った。
「あ、そうだ!せっかくだから今年はこの4人で行こうよ!」
「え、この4人?」
キャラ濃いわー、という愛莉のぼやきが聞こえる。
「えーだめ? はっ!もしかして、みんなもう先約ある感じ……?」
「いや、さすがに2か月先の予約は空いてる」
「気が早いわね」
「ほんと!?じゃあ決まり〜!みんなで行こうね!」
「……俺も?」
ぽつりとそらくんが呟いたのを、愛莉は聞き漏らさない。