SignⅡ〜銀の恋人と無限の愛を
再会
「……すっ、好きですっ!」
恥ずかしさに少女は下を向く。
よほど緊張しているのだろう、顔はすでに耳まで真っ赤で、ぎゅっと握りしめたその手はふるふると震えている。
対照的に告白された少年の銀の瞳は冷めていた。
「だから、何?」
その言葉に少女は驚き顔を上げる。
「……え? ……あの、」
「好きだから、何?」
少年が更に問いかけると、焦ったように少女は視線をウロウロさせた。
「……えと、だから、……か、……彼女に、なりたいなってっ、」
「ごめん」
少年は冷たく言い放った。
「オレ、誰とも付き合う気ないし。それに、もし君がオレを外見だけで見てるんなら、そういうの、はっきり言って迷惑だから」
少年はサッと背を向ける。
「……えっ、あのっ!」
声を無視し、夕方の校舎を後にした。
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