SignⅡ〜銀の恋人と無限の愛を
「……ふぅ、」
あたしは芝生に寝転がる。
散りばめられた星を見てると意識がそこへ引っ張られる。
「……まったく佑影は……」
呆れたようにグリムが隣へやってきた。
——世田グリム
こいつは動物や植物と会話が出来る能力者だった。
丸顔にショートカットの眼鏡、佑影とは真逆のタイプのグリムの性格は穏やかで、全身からは優しさが滲み出ている。
それでもたまに見せる言動が周りの人間を驚かせた。
「ほんと遠慮ないんだから。美空は彼女なのに……ね?」
いたずらっぽくグリムが笑う。
すると風もないのに木々たちが一斉にザワザワ音を鳴らした。
……彼女、か。
「でも、だいぶ助かる。佑影強いし。あとはみんな……」
「だよね〜、みんな美空に甘いんだもん。手加減ばっかして、全然トレーニングにならないもんね〜」
言いながらグリムも寝転がる。
「それで? また昔のこと考えてたの?」
「……え゛っ?」
図星を突かれておもわず変な声が出た。