SignⅡ〜銀の恋人と無限の愛を

「……分かってるよ……仕方のない事だって。 美空が役目を果たしたいって気持ちもちゃんと分かってる。 けど……」


「…………」


「美空がどうにかなるかもしれないって思ったらやっぱり……とても冷静じゃいられないし、あんな思いはもう……」


「…………」


「……それに、ケガするのが普通って、それ全然普通じゃないし……オレはっ……オレは美空が——」


——ギュウ……!


「大丈夫」

あたしは湧人の背中を抱きしめた。


「……っ、」

以前よりも大きな背中がピクっと僅かに揺れ動く……


「……み、 く……?」


「大丈夫。 あたしは絶対大丈夫だから」


「……え、」


「大丈夫だから! だからそんなに怒らないで!」


「……オレは別に怒ってなんか……」


「じゃあ悲しんでる? だったらいっぱいこうする! だから早くもとに戻って!」


「……え?」


「だって、前はもとに戻った! 怒ってる時とか悲しい時、こうやったらすぐに! だから!」


「…………」


湧人は少し沈黙する。

あたしもそのまま黙り込む。

そして……


「ふっ」


湧人の口から吐息がもれた。


……?
 
どうしたんだろうとあたしは顔を覗き込む……
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