SignⅡ〜銀の恋人と無限の愛を
「……懐かしい。 そういえば美空、よくこうやって後ろから抱きしめてきたよね。 オレ、そのたんびアタフタして……。 でも、確かにそれで落ち着いてたかな……」
「湧人? これ、今でも落ち着く?」
「うん、落ち着く。 でも、」
——グイ!
突如体が反転した。
何がどうなったのか、いつの間にか湧人があたしの後ろにいる。
「……今は、 こうする……」
囁くような声と共に、今度は湧人があたしを抱きしめた。
「……⁉︎」
後ろから包み込まれるような体勢に、あたしは身動き出来なくなる……
「……湧人? あたし、別に落ち着いてるよ?」
「美空じゃなくて、オレがまだ……」
「……機嫌、 まだもとに戻らないの?」
「もう少ししたら戻るから……だから、 今はこうしてて……」
「……うん……」
よく分からない感情が押し寄せる。
この胸のドキドキは何なのか、どうして体が熱いのか……
あたしは首を傾けながら、そのまましばらく時を過ごした……