SignⅡ〜銀の恋人と無限の愛を

◇怨みの刃

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“……ザッ……ザザザッ……”


雑音が頭の中に鳴り響く。

アルバイトを終えた帰り道、あたしはとてもいやな感覚に襲われていた。


「……っ、」


妙に風が冷たく感じる。

取り巻く空気は湿っていて、歩く度にだんだん重みが増してくる。


……なに、　これ……


まるでこれから霊にでも遭遇するようだ。

実体がないのに気配だけが蠢いていて、あたしは辺りを警戒する。


——ザザザアアッ……！！


頭の中の雑音が突如外へ飛び出してきた。


「……っ！」


得体の知れない何かが真っ暗闇を飛び回り、


——シュバアアッ……！


あたしの体をかすめていく……


「……っ、」


瞬時によぎる嫌な記憶……


……まさかっ、　そんなっ……


————ザザザザアアッ……！！


雑音が一段と大きく鳴り響いた。

それが徐々に変化して


“……ザッ……んんんッ……”


聞き覚えのある男の声になってくる……