SignⅡ〜銀の恋人と無限の愛を
「……チッ、」
佑影が目を凄ませた。
ぼやける輪郭……
佑影が厚みのある黒い影へと変化して、それと同時に抑えていた強いパワーが一気に外へ放出される……
“ バリバリバリッッ……”
佑影が針を自分の中に取り込んでゆく。
闇の能力者である佑影が、負のエネルギーを放つその存在を力で抑えて滅してゆく……
“ バリバリバリバリッッ……”
“ ジュウウウッ……ゥゥゥ……”
やがて全ての作業を終えた佑影がバタリとあたしの上に倒れ込んだ。
「……ハァ、 ……ハァ、」
もう黒い影ではなく、生身の体に戻っている……
「……ゆう、 かげ……?」
「……くっ、 ……はぁ、」
佑影はゆっくり顔をあげた。
ひどく疲れたようなその表情……
かなりダメージを受けているのが一目見ただけで分かってしまう……
「……悪い……少し休ませてくれ……」
やっと声にする佑影にあたしはコクンと首を動かす。
「……ハァ、」
佑影は再び顔を伏せた。