SignⅡ〜銀の恋人と無限の愛を

「……だから、どうして佑影はあたしの為に……こんなに、守ろうとしてくれるの?」


「…………」


「……佑影……?」


いつもなら面倒くさそうに顔を背ける佑影が、珍しくじっとあたしを見据えている。

そして、


「……お前に何かあったら困る……」


さっきとは違う声のトーンで佑影はゆっくり話し始めた……


「お前が教えてくれたんだ。 オレに生きる意味を、 自由を、 居場所を……。 お前と出会えていなければオレはとっくに自らを闇に葬っていた……」


「……え、」


「友達や仲間を思う大切さも……全てはお前から学んだ事だ。

自分を犠牲にしてまで誰かを守るとか……最初は到底理解できなかったが、今は何となくそれが分かる。

お前はオレの恩人だ。 大事な仲間で、特別な存在だ。 その大切なものを守るのは当然だろう……」


「……佑影……」
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